白ゴマ収穫終盤へ 台風で収量減、品質低下も 喜界町

2023年09月28日

社会・経済 

道路脇で天日干しされる白ゴマ=27日、喜界町嘉鈍

日本一の生産を誇る喜界町の特産品・白ゴマの収穫作業が終盤を迎えている。町内の一部の畑や道路脇などには天日干しされ、”セサミストリート(ゴマ通り)”が続く風物詩が広がっている。2023年産は7月下旬から8月上旬にかけて奄美地方に接近した台風6号の影響もあり、生産量は前年比7割減の約20トンと大幅減収を見込む。収穫は10月中旬ごろまで続く。

 

町農業振興課によると、町内の生産農家は約250戸で、23年産の生産面積は約150ヘクタール。

 

同町の白ゴマの生産量は19年42.1トン、20年15トン、21年38トン、22年56トンと推移している。23年産は生育期の台風6号接近で、島内全域で潮風害やほ場の浸水による生育停滞、折損などの被害が発生したことなどが不作の要因とみている。

 

台風の影響は品質面にも影響。生産者や集荷関係者によると、今期産は生育停滞により全体的に小粒傾向となっているほか、茶色や黒色のゴマが混ざり「例年と比べると品質はよくない」。

 

同町小野津の生産農家、平井建二さん(74)は台風の影響で6月に植えたゴマの収量が減る見通しを受け、台風6号が奄美地方を通過した後、再度植え付けた。「今年は気温が高く、今のところ順調に育っている。来月の収穫まで無事成長してほしい」と期待を寄せた。